FXで負けを小さく抑えるためには、損切りが大切です。
そんなことは、僕も頭では分かっていました。
それでも実際に含み損を抱えると、僕が見ていたのはチャートではなく、増えていく損失額ばかりでした。
損切りラインが近づくと、「ここで反発しそうだから、少しくらいずらしても大丈夫だろう」と都合よく考える。
そんなことを繰り返し、なかなか損切りできませんでした。
その結果、切るべき損失を何度も先延ばしにし、最終的には-600pipsを超える大きな損失につながりました。
-600pipsを超える損失の全体像と、そこから気づいた5つの反省点については、以下の記事で詳しく振り返っています。
この記事では、損切りできなかった頃の僕が何を考えていたのか、なぜ損切りに対する考え方を変えられたのか、そして現在どのような対策をしているのかを、実体験をもとにお話しします。
損切りした方がいいと分かっているのに、どうしても切れない。
そんな悩みを抱えている方に、少しでも参考になれば幸いです。
損切りできなかった頃の僕
損切りできなかった頃の僕は、エントリーすると「今は含み益が出ているのか」「含み損になっていないだろうか」と常に不安になり、パソコンから目を離せなくなっていました。
見ていたのは、チャートのローソク足ではありません。
含み益なのか、含み損なのか。その金額ばかりを気にしていました。
少しでも価格が戻ると、
「よかった、反転し始めた」
「やっぱり、このエントリーは合っていたんだ」
と安堵する。
さらに逆行すると、
「なんでここで反発しないんだ?」
「安値圏なのに、そろそろ戻るはずだ」
と、自分のエントリーが正しい理由を探し始めます。
そして損切りラインが近づくと、
「このままでは損切りになるから、少しだけずらそう」
「数pipsくらいなら大丈夫」
「損切りになった直後に反発したら嫌だし、ここから戻れば〇〇pips取れる」
と、これから得られるかもしれない利益ばかりを考えていました。
本来なら、エントリーした根拠が崩れた時点で損切りすべきでした。
しかし当時の僕は、相場の状況よりも「損を確定したくない」という自分の気持ちを優先していました。
そのため、最初は小さかった含み損が少しずつ大きくなり、さらに損切りしにくくなっていきます。
最後には、最初に決めた損切りラインを何度もずらし、そのたびに自分に都合のいい理由を後付けしていました。
「ここまで損切りラインを広げれば、さすがに大丈夫だろう」
そう考え、いつの間にか分析ではなく、ただのギャンブルトレードになっていたのです。
今振り返ると、あの頃の僕は相場を分析していたのではなく、自分に都合のいい理由を探していただけだったと思います。
僕が損切りできなかった3つの理由
僕が損切りできなかった原因は、単純に「意志が弱かったから」ではありませんでした。
当時の自分を振り返ると、損失を受け入れられない考え方や、エントリー前の準備不足が重なっていたと思います。
ここでは、僕が特に強く感じた3つの理由をお話しします。
損失を確定するのが怖かった
含み損の状態であれば、まだ負けが確定したわけではありません。
だからこそ当時の僕は、「今切らなければ、まだ助かる可能性がある」と考えていました。
しかし、損切りをした瞬間に損失は確定します。
当時の僕の中では、
「損切り=負け」
「負け=失敗」
「お金が減る=やってはいけないこと」
という考えがつながっていました。
その気持ちが強く、損切りボタンを押せなかったのです。
相場では、どれだけ分析しても予想が外れることはあります。
それでも当時の僕は、損切りを一つのトレード結果ではなく、自分の失敗だと考えていました。
その結果、小さな負けを受け入れられず、さらに大きな負けにつなげていたのです。
いつか戻ると思い込んでいた
僕には、損切りを我慢し続けた結果、数百pipsという大きな利益を取れた経験がありました。
その間違った成功体験が、損切りラインをずらす行為を正当化する理由になっていました。
含み損を抱えても、
「前も待っていたら戻った」
「今回も、もう少し我慢すれば戻るはずだ」
と考えていたのです。
そして、少しでも価格が自分の方向へ戻ると、「よし、待っていて正解だった」と安心する。
でも、それは相場の状況を見て判断していたのではなく、自分に都合のいい値動きだけを拾っていた状態でした。
もちろん、実際に価格が戻ることもあります。
ただ、それを理由に損切りを先延ばしにしていると、戻らなかったときの損失は一気に大きくなります。
当時の僕は、「戻る可能性」にばかり意識を向け、「さらに逆行する可能性」をほとんど考えていませんでした。
考えていたのは、
「この勝負に勝てば〇〇pips取れる」
「これまでの負けを一気に取り返せる」
そんなことばかりでした。
相場が戻るかどうかは、自分ではコントロールできません。
それなのに、僕は価格が戻ってくることを前提にポジションを持ち続けていたのです。
今振り返ると、それは分析ではなく、ただの希望的観測だったと思います。
エントリー前の損切りルールが適当だった
当時の僕は、エントリーすることばかり考えていて、資金管理はほとんどしていませんでした。
損切り位置も、「この辺りに置いておけばいいだろう」という程度です。
「上がりそう」「下がりそう」と感じたら、そのままポジションを持ってしまう。
そして、そんなときに限ってエントリー直後から逆行します。
含み損を抱えた状態では、冷静な判断が難しくなります。
少しでも損失を小さくしたいという気持ちが強くなり、損切り位置を何度もずらしたり、結局そのまま持ち続けたりしていました。
本来なら、エントリー前に、
「この根拠が崩れたら損切りする」
「この価格まで逆行したらポジションを閉じる」
と決めておくべきでした。
しかし当時の僕は、利益を得られる場面しか想像しておらず、負けたときの準備ができていなかったのです。
損切りできなかった原因は、意志の弱さだけではなく、エントリー前の計画不足にもありました。
損切りに対する考え方が変わったきっかけ
僕の損切りに対する考え方が変わったきっかけは、-600pipsを超える大きな損失を経験したことでした。
損切りをするたびに口座残高へ目が行き、
「はぁ、また減った」
「負けてばかりだな」
と落ち込んでいました。
取引履歴も何度も見返しました。
そこに並んでいるのは、惨敗したトレードの記録ばかり。今月の合計pipsが、日に日にマイナスへ膨らんでいく様子を見るのが本当に苦しかったです。
家族からは、
「君ならできる。心配していないよ」
と背中を押してもらっていました。
少しでもその期待に応えたい。それなのに、現実では資産が減り続けていく。
夢を叶えるために始めたFXなのに、むしろ自分で自分を追い詰めていました。
「このままでは、稼ぐどころか破産する。それだけは絶対に駄目だ。でも、FXを諦めたくもない」
そう考え、手法だけではなく、FXに対する考え方そのものを根本から見直しました。
FXは、1回の勝ち負けではなく、同じルールを繰り返した結果で利益を残していく確率の世界です。
しかし当時の僕は、損切り位置やロット数を感情で変えていたため、トレードに一貫性がありませんでした。
取引履歴を見返すと、負けの回数が多いうえに、1回あたりの損失も大きい。その一方で、勝ったときの利益はそれほど大きくありません。
このまま同じトレードを続けていれば、資金が減り続けるのは当然でした。
そこで、ようやく気づきました。
損切りのやり方を変えない限り、この先トータルで利益を残すことはできない。
それまでの僕は、損切りを「悪いこと」だと考えていました。
しかし、トレードで利益を残していくために、すべての負けを避けることはできません。
そこで、損切りを「失敗」ではなく、利益を残すために必要な経費だと考えるようになりました。
必要な経費であるなら、できる限り小さく管理した方がいい。
そこから、損切りを避ける方法ではなく、資金をできるだけ減らしにくくする方法を考えるようになりました。
もちろん、考え方を変えたからといって、すぐに行動まで変えられたわけではありません。
それでも、この考え方に変わったことが、僕が損切りと向き合い始める最初の一歩になりました。

損切りできるようになるために変えたこと
損切りに対する考え方が変わっても、それだけですぐに行動まで変えられたわけではありません。
そこで僕は、損切りを感情に任せないために、トレードのやり方そのものを少しずつ見直しました。
ここでは、僕が損切りできるようになるために変えたことを紹介します。
エントリー前に損切り位置を決める
まず変えたのは、ポジションを持つ前に損切り位置を決めることでした。
たとえばロングの場合は、意識している水平線や直近安値の少し下。ショートの場合は、水平線や直近高値の少し上を損切り位置の目安にしています。
また、エントリーした根拠が崩れたかどうかは、意識している高値や安値をローソク足の実体で更新したかを確認して判断しています。
あらかじめ損切り位置と判断基準を決めておけば、価格が逆行しても、その場の感情でルールを変えにくくなります。
現在は、エントリー前に決めたルールに従って損切りしているため、「まだ戻るかもしれない」と迷い続けることもなくなりました。
損切りは、ポジションを持ってから考えるものではありません。
エントリーする前に準備しておくものだと考えています。
損切り幅からロット数を決める
損切り位置を決めるようになってから、もう一つ見直したのがロット数です。
現在は、1回のトレードで許容する損失額を、口座残高の2%以内に収めるようにしています。
これは僕が現在採用している基準であり、すべての人に同じ割合が適しているとは限りません。
そのうえで、エントリー位置から損切り位置までの幅に合わせて、ロット数を調整します。
損切りまでの幅が広ければロット数を小さくし、損切りにかかった場合でも、損失額が大きく変わらないようにしています。
獲得したい利益からロット数を決めるのではなく、先に許容できる損失額を決める。
そうすることで、含み損を抱えても、以前より冷静にチャートを見られるようになりました。
損切りできるかどうかは、メンタルだけの問題ではありません。
最初から自分が受け入れられないロット数でエントリーしていれば、冷静な判断を続けるのは難しくなります。
だからこそ僕は、利益から逆算するのではなく、
「このトレードで、どこまでなら負けを受け入れられるか」
を先に考えるようにしています。
含み損ではなく根拠の崩れを見る
以前の僕は、ポジションを持つと含み損の金額ばかりを見ていました。
損失が小さいうちは「まだ大丈夫」と考え、金額が大きくなると「ここで切るのはもったいない」と迷う。
判断基準が、相場の状況ではなく、自分の損失額になっていたのです。
現在は、含み損がいくらになっているかよりも、エントリーした根拠が残っているかを確認しています。
意識していた水平線を抜けたのか、直近の高値や安値をローソク足の実体で更新したのか。
あらかじめ決めていた根拠が崩れたのであれば、その時点で損切りします。
反対に、一時的に含み損になっていても、根拠が崩れていなければ、決めた損切り位置までは様子を見ます。
含み損の金額を見ると、自分の感情が判断に入りやすくなります。
だからこそ僕は、損益の数字ではなく、チャート上の事実をもとに判断するようにしています。
トレード記録を残して振り返る
損切りのやり方を見直してからは、トレード記録を残して振り返るようになりました。
以前の僕は、負けた直後には「次は気をつけよう」と反省していても、時間がたつと何が悪かったのかを曖昧にしていました。
そこで、エントリーした根拠や損切り位置、トレードの結果だけでなく、事前に決めたルールを守れたかどうかを最重要視するようにしました。
記録を見返すと、損切りになったトレードでも、計画どおりに行動できていれば、僕にとっては最高のトレードです。
反対に、たまたま利益になったとしても、損切り位置をずらしたり、感情でロット数を変えたりしていれば、それは再現性のないギャンブルトレードです。
大切なのは、その一瞬の勝ち負けではありません。
長期的に利益を残していくために、決めたルールを繰り返せているかを確認することです。
トレード記録を残すことで、自分の判断を感覚ではなく、事実として振り返れるようになりました。
現在は、損切りになったこと自体を反省するのではなく、決めたルールを守れたかどうかを見直すようにしています。
今では損切りに抵抗がなくなった
以前の僕は、損切りをすると「負けた」「失敗した」と感じていました。
そのため、損失を確定することに強い抵抗があり、エントリー根拠が崩れていてもポジションを持ち続けていました。
しかし現在は、損切りを失敗だとは考えていません。
エントリー前に決めた根拠が崩れたのであれば、そこでポジションを閉じるのは、トレード計画どおりの行動です。
その後に価格が戻ったとしても、損切りした時点の判断まで間違いだったとは考えません。
相場の先を完璧に予測することはできないからです。
大切なのは、1回の結果ではなく、決めたルールを繰り返し守れているかどうかです。
現在の僕にとって、損切りは怖さを我慢して行うものではありません。
資金を守り、次のトレードへ進むために必要な処理として、迷わず実行しています。
僕が問題だと考えているのは、損切りしたことではなく、決めたルールを無視して損失を大きくしてしまうことです。
損切りで悩んでいた僕から伝えたいこと
損切りで悩んでいる人に、まず伝えたいのは、今うまく結果が出ていなくても、自分には向いていないとすぐに諦めないでほしいということです。
ただし、焦って取引を続けたり、損失を取り返そうとしたりする必要はありません。
一度トレードから離れ、自分のルールや過去の取引を落ち着いて見直すことも大切です。
そして、勝つことだけではなく、**「いかに上手く負けるか」**も意識してほしいと思っています。
うまくいかずにもがきながら、自分のトレードを見直している時点で、すでに改善への一歩を踏み出しています。
勝ちたい、稼ぎたいという気持ちが強ければ強いほど、損切りは苦しく感じるかもしれません。
だからといって、損切りできなかった自分を責める必要はありません。
損失を確定することへの恐怖や、価格が戻って助かった成功体験、曖昧な損切りルール、大きすぎるロット数など、いくつもの原因が重なっていることがあります。
僕自身も、損切りの大切さを頭では理解していました。
それでも、
「稼ぎたい」
「稼がなければならない」
という気持ちに駆られ、何度も損切りラインをずらしては、大きな損失につなげてきました。
大切なのは、自分を責めることではありません。
「なぜ今回は損切りできなかったのか」
を振り返り、次のトレードで変えられることを一つずつ見つけることだと思います。
エントリー前に損切り位置を決める。
許容できる損失額からロット数を計算する。
損益の金額ではなく、エントリー根拠が崩れたかを見る。
トレード記録を残し、決めたルールを守れたか確認する。
いきなり、すべてを変える必要はありません。
まずは一つ、自分が実行できそうなルールから始めればいいと思います。
FXを続けていくうえで、損切りを完全に避け続けることはできません。
避けられないのであれば、大切なのは損切りをなくすことではなく、1回の損失をどれだけ小さく管理できるかです。
僕も失敗を繰り返しながら、考え方とルールを見直してきました。
その結果、現在は損切りに抵抗を感じることなく、トレード計画の一部として実行できるようになりました。
まとめ
今回は、損切りできなかった頃の僕が何を考えていたのか、そして損切りに対する考え方とルールをどのように変えたのかをお話ししました。
僕が損切りできなかった主な理由は、次の3つです。
- 損失を確定するのが怖かった
- 過去に価格が戻って助かった経験から、今回も戻ると思い込んでいた
- エントリー前の損切りルールや資金管理が曖昧だった
当時の僕は、損切りを「負け」や「失敗」だと考えていました。
しかし、-600pipsを超える損失を経験し、損切りを避け続けることこそが、資金を大きく減らす原因になると気づきました。
現在は、損切りを利益を残すために必要な経費と考えています。
エントリー前に損切り位置を決め、口座残高の2%以内に損失を抑えられるようロット数を調整し、損益の金額ではなくエントリー根拠が崩れたかどうかを見て判断しています。
損切りで悩んでいる方も、いきなりすべてを変える必要はありません。
まずは、ポジションを持つ前に損切り位置を決めるところから始めてみてください。
損切りをなくすことではなく、いかに損失を小さく管理するか。
小さな負けを受け入れることが、大きな損失から資金を守り、トレードを続けていくための第一歩になると僕は考えています。


コメント